旅を計画している段階で、最も心配だったのは、タラのアトピーについてです。生後まもなく発症して、日本に住んでいる間はいつも掻き毟って体中に血が滲むので包帯を巻いたりする痛々しい状態でした。2012年4月の私の日記より。
***********
『タラのアトピーがなかなか治らない。季節によっても良くなったり悪くなったりするけど、そこそこ大きくなれば自然に治るだろうと、僕は正直それほど深刻に考えてなかった。
オリは母親らしく、タラの具合が悪いときには、彼女も辛そうだ。なるべく自然療法や身の回りの改善で、と、いろいろ試してくれている。
来月、弟シュンゴの結婚式がある。オリがポツリと「タラが出席するのどうかな」と言った。先方の親族の目を気にして。僕は思いもよらなかったので、オリの心の痛め具合にハッとした。
僕もタラを治すためにもっと本気になろう。現代病だと言われるけど、我が子が苦しむのはもちろん親として避けたい。痛んだ肌を見て、中途半端に憐れみの目を向けられるのもご免だ。
タラは大らかに朗らかに育っている。トキは僕に似て、タラはオリに似ている気がする。ギュッと抱きしめて、体中舐めてあげたいほど愛らしい。』
***********
衛生面で日本より劣る国々ばかりなので、一層悪くならないか心配でした。最悪の場合、タラの肌が悪化するようなら、途中で旅を切り上げて帰ってこないといけないと覚悟していましたし、塗り薬やら消毒液やらタラ用の薬だけで大荷物でした。一方で、日本では良いと聞けば思いつく限りさまざまな治療を試したにもかかわらず治らなかったので、いっそのこと思い切って住環境を変えてみたいとも思っていました。
前置きが長くなりましたが、旅に出た結果はと言うと、幸いなことに、現状はこれ以上ない最高の状態です。
上の写真が去年8月1日に関西国際空港を出発した初日のもの(タラ3歳6ヶ月)で、文章下の写真がほぼ1年後の最近のものです。もう何の薬も使わなくても体中ツルツルで、普通の生活を送れています。
同じような悩みを抱える方のためにも、何が良かったのか原因を特定できると良いのですが、残念ながら正直なところ分かりません。空気や水や食べ物や、考えられる要素がたくさんあるからです。
ただ一点、去年8月末に1ヶ月のモンゴル滞在の後に(カナダ行きの直通便がモンゴルからないこともあって)日本に1週間帰国した際、せっかくモンゴルの終盤で良くなっていた肌が再び短期間で悪化したことから、何か日本の環境がタラの肌に合っていないとは言えそうです。その後のカナダで再びみるみる改善し、ペルー、スペイン、カメルーンとずっと良いままです。あるいは、年齢的なもので、成長して体質が変わったことで自然と良くなった、日本にそのまま居ても良くなっていたのかもしれませんが、それは分かりません。また、ペルーのジャングルやガラパゴスの高温多湿地に居たときに、汗をかいたりして少し悪化したことがあったので、それが原因なのかと同様の気候のカメルーン滞在を心配していましたが、今のところ問題ありません。
残る心配としてあるのは、半年後に旅を終えて日本に帰った際、どうなるかということです。良い状態の期間が長いほど、再び悪くなりにくい、と聞いているので、そのまま治ってくれることを期待しています。オリとは「また悪くなったら、どこか違う国に住むしかないな」と冗談めかして話していますが、どうなることやら。
コメントをお書きください
しずり (土曜日, 19 10月 2013 18:33)
医療関係者として、とっても興味ぶかい内容です。でもそれより何より本当によかった!!!!日本で悪化しないことを祈っています!